ねこのとうちゃく【猫の到着】 猫が到着したのは、日の落ちる寸前という時刻だった。「ようこそおいで下さいました、お美しいアジアの猫さま。来ていただけないものかと、あきらめかけておりましたところです」と、キャプテンは深々とお辞儀した。 風が吹き、猫の髪をゆらす。「さぞかしお疲れのことでありましょう。城では大臣がたがお待ちです。さて。このような急なお呼びたてをいたしましたのも、この国では……」 ***『世界の猫のための猫物語』第3章「猫の到着」より***
2003年7月3日